計画立ててお金を使うことができないのか、はたまたお金という価値が未だにわからないのか、単なる怠慢(←たぶんこれ)なのかはわからないが、本当に馬鹿野郎すぎる話だが、上京して約5年。

ちょずいた約半年を除いて、わたしは全て居候生活をさせてもらってます。(注:シェアハウスとかではなく、本気居候です。)

居候生活の話は、改めて。

ちょずいた約半年間。

わたしは阿佐ヶ谷に住んでいました。

今日はそのお話。(ほんと思うけど、わたしのブログは何一つ有益な情報はない笑笑)

阿佐ヶ谷は不思議の国。

阿佐ヶ谷って、マイペースなイメージ。

いろんなお店や建物があるし、区のお役所とか大きな公共建物も混在してて、なんでもあるけど、そのなんでもを受け入れられる器の大きさみたいなものを感じている。

好き勝手だけど、自立しててでも隣近所仲良い感じ。

特に飲み屋ね!

阿佐ヶ谷は南口、北口両方共に飲み屋街が広がっていて、それを越えないと住宅街に巡り会えない(実際はそんなこともないってわかったけど、マジで初めて来た時はそーゆーイメージだった)

お酒が弱いわたしにとっては喫茶店を探すのが一苦労。(でも、ぽこっと存在しているのがすごいところ!)

みんなが仲良くて助け合い精神の飲み屋街には、全然飲まないくせにお世話になりました!

一度お芝居の公演に訪れた際、財布を落としたが、交番に預けられていた程の治安の良さもあってか、その時から1人暮らしをするなら阿佐ヶ谷!と決めておりました。

でもね、家賃高かったのよ。

たぶん選ばなければめちゃめちゃ安いところあるとおもうのだが、はじめての1人暮らしということもあり、いろいろ心配なこととかあって(基本ビビリ属性)、角部屋で3階でフロアにわたししか居住区がない素晴らしい物件に出会い、運命を感じて契約。

分不相応。←夢見がちなうお座なのです。

家具とか何にもなかったから、ダンボール床に敷いてその上に布団置いたり(←あったかいしフワフワだからマジで試して!!!)、窓にカーテンの代わりに半透明のゴミ袋貼って、公演でもらった花束をワインの空き瓶に突っ込んでたっけ。(↓こんな感じです笑笑)

だいぶ楽しかったのだが、家族にはドン引きされました。



そんな中出会った飲み仲間たち(何度も言うが、わたしはお酒かなり飲めない人です)。

毎回行くとご馳走してくれ(別にたかっているわけではない)今でも楽しいひと時を一緒に過ごしてくれる。

お酒は飲めないけど、こうして迎えてくれるところがあるっておうちに帰ってきたような、なんかあったかくなって心が埋まる。

そんな中、仲良くなった店のマスターの奥様でママと呼ばせてもらってる可愛い女性。

わたしは上記に書いた通り、阿佐ヶ谷は治安が良すぎて本当に素晴らしいと思っているが、ママの話では、実はそうではなかった頃があるらしい。

飲み屋街にも、所謂ヤバイというか怖いお客さんが度々出没していたらしく、女性がマスターのお店とかもあるから、そーゆー方がふらついていたときにはみんな店の鍵を閉めて営業していたりと大変だったそう。

そんな時、阿佐ヶ谷飲み屋街でも人望があるとされるマスター、つまりママの旦那様が出ては、飲み屋街を守ってくれたんだとか。

当時あまりにそのヤバイお客さんが迷惑をかけまくったらしく、見るに見かねたマスターは阿佐ヶ谷駅南口にある噴水(ちなみに噴水前が交番だそうです)に、そのお客さんを投げ込んだそう!

阿佐ヶ谷飲み屋界隈では有名な話で、それ以降、阿佐ヶ谷の治安は守られたのでした。(と、わたしは信じて疑わない笑)

まさに阿佐ヶ谷のヒーロー。

そんなマスターも天に召されてしまったけど、今でもママと会うと何度でもその話が聞きたくなる。(だからついその話を振ってしまう)

マスターのお店も今は別の人が経営している。

ただ、ママの知り合いの知り合いとのことで今でもたまにママは足を運んでいるらしい。

わたしもママにくっついて、経営者のかわった店に足を運んだ。

当時のままの懐かしいカウンターをベースに少しだけアレンジされた店内。

古い音楽が流れる。

薄暗いカウンターで若い店主が酒を作る。

マスターのお店で定番だったハーパーソーダ。

ハーパーは今、この店には置いていないらしい。

少しだけ寂しいような、でも、それで良いような複雑な気持ちだった。

マスターはハーパーソーダを作りながらいつも言ってた。

「炭酸を入れた後は混ぜない」

炭酸が抜けちゃうからだって教えてくれた。

その教えを忠実に守るかつての店のお客さんは皆必ず、ハーパーではないなにかのソーダ割りをオーダーするときに「ノンステアで」って今の店主に一言添える。

かつてのお客さんとマスターの深い深い絆が根付いていることを感じながら

わたしは胸がいっぱいになる。

そうしてオーダーするのだ、わたしも。

炭酸水を。(だって飲めないから!)

マスターに守られてる阿佐ヶ谷の夜を愛おしく思いながら過ごす。