どうも蜂矢です。
今回は映画紹介&レビューになります。
みなさんクライムサスペンスって
ジャンルをご存知ですか?

クライムサスペンスとは
「犯罪事件を扱った、スリリングな展開の物語。」

この手のジャンルが
好きな人にオススメしたいのがこちら。

「悪魔を見た」

2011年公開で少し古いです。
イ・ビョンホン主演の韓国映画になるんですが
韓国はこのジャンルのクオリティがとても高い。

日本ではあまり表現できない
ところまでやってくれるのがいいですね。

1点注意なんですがこの映画、
めっちゃ胸くそ悪いです。

イ・ビョンホンのファンの人は
結構注意した方がいいですね。

ではちょっとしたネタバレ込みで
レビューしていきましょう!

概要

「婚約者を殺された捜査官のスヒョンが、
犯人の連続殺人鬼を追い詰め、壮絶な復讐を行う。」

復讐劇物ですね。
だいたいの復讐劇物では
終盤に犯人を追い詰め
捕まえるか、殺してしまうだと思います。

しかし、
この映画は違います。

まず主人公が割と直ぐに
犯人を見つけてボコボコにします。
そして捕まえることもせず社会に戻します。
で、ある程度回復するのを待って
再度ボコボコにする。
この繰り返しです。

犯人のキャッチ&リリース
今までにない映画で
観ていて関心しました。

残酷描写が割と良い

この映画の見所の1つが
残酷描写だと思いますね。

犯人は最初にだいたい頭をぶん殴ります。

一発ではなく何回も殴ります。
この時カメラアングルを変えて
見えないようにするなどはなく
思い切り見せてくれます。

ドクドク血が流れるし
飛び散ってくれる。

これは主人公のスヒョンが
犯人を痛めつけるシーンも同じで、
ボコボコにする姿を
これでもかと見せつけてくれます。

ホラーやスプラッターを見慣れている人には
ちょっと物足りないかもしれませんが、
物で殴ったりする描写は結構リアルで
なかなか良いですね。

役者陣が素晴らしい

犯人をボコるシーンは
スタイリッシュ イ・ビョンホンです。

犯行を行っている現場に颯爽と現れ
犯人をボコり帰っていく姿はまるでスパイ映画。
イ・ビョンホンのアクションは凄いですね。

演技も素晴らしい。
最初は婚約者に歌を歌ってあげたり
可愛らしい場面もあるのですが、
復讐が始まるとずっとこの
死んだような表情です。

殴ったりしている時も
あまり表情が変わることもなく
淡々を暴行を繰り返す。

ただ時折泣を流します。
なんの意味もない復讐に
虚しさを感じ泣いている。
そんな風に見えました。

そしてスヒョンが壊れるシーン。
婚約者はバラバラにされてしまい
川に捨てられます。

その一部である頭が発見されますが
スヒョンはそれを見てしまい、
何が起きてるか分からず混乱した
表情となります。

ここで壊れ始め最初に犯人を
ボコるところで完全に壊れます。

怒りなのか悲しみなのか
わからない表情で石を持ち上げ
殺そうとしますがそれを
やめてしまいます。

この時の表情がなんとも言えない。
悪魔にも見えるしただ哀しい男にも見える。

そしてラストの笑っているのか
泣いているのか分からない表情。
素晴らしいです。

犯人役はチェ・ミンシク。

この人も凄い。
本当に憎たらしい。

ボコられてもめげることなく
犯行を繰り返しながら逃亡生活を送ります。
息をするかのように犯行を繰り返し
反省なんて全くしません。

自信満々なのが本当に気に食わない。
お前ちょっとは反省しろよと
ムカついてくる。

最後までこの調子なんですよね。
お陰で犯行が始まると
イ・ビョンホン早く来てくれ〜となります。

自然とイ・ビョンホンを応援したくなる。
でもお互い犯罪を犯しています。
観ている側の感覚も狂ってきて
何が正しいのかよく分からなくなります。
上手くできてますよね。

残念だったところ

割と設定がガバガバです。
まぁどの映画にもあるので
いいのですが気になるのを何個か。

1個目
GPSを犯人に飲ませ
それを元に追跡するのですが
このGPS音声も拾います。

が、ハッキリ聴こえ過ぎです。
お腹の中にあるのにノイズ無しとは。

2個目
警察が無能すぎる。

終盤で犯人が婚約者の家に行き
家族を襲います。

犯人が警察へ電話で犯行について
話すので家に警察いっぱいいます。
そこへ現れるスヒョン。

婚約者の親は元警官で、
スヒョンが復讐していることを
何となく察しています。

しかも後輩の警官と復讐について
話しているシーンがあるので
警察自体はスヒョンの復讐を知っているはず。

なぜそこでスヒョンを捕まえない。

3個目
犯人は終盤付近で
友人の元へ逃げます。

この友人も犯罪者なのですが、
何の説明もないので
誰だお前状態です。

4個目
病院で戦うシーン。

この病院は主治医と看護婦さんの
2人しかいない小さな病院。

看護婦さんが襲われて
そこへスヒョンが駆けつます。
やりたい放題ボコるのですが
音も派手に鳴っています。

ジジイ聞こえないのかな。

そしてこの病院で
犯人のアキレス腱を切るのですが
結構元気に歩いています。

やるやん。

言い出すときりが無いので
この辺でやめておきますね。

考察

犯人のキャッチ&リリースと書きましたが
そのせいで犯行が繰り返されます。

スヒョンのせいで被害が広がっています。
何しとんねんとなりますが、
タイトルの「悪魔を見た」
これを思い出してください。

この「悪魔」とは
スヒョンのことだと思います。
復讐を誓った時点で悪魔となった。
犯人を逃すことで
被害者が出ていることも
スヒョンは知っているはず。

でもそんなこと関係ありませんと
犯人をボコボコにして
敢えて生かします。

そしてスヒョンの目的である
「婚約者の苦しみを倍にして返す」
これを完遂する為に
周りの人間がどうなろうと
知ったことではない。

自分の私利私欲の為に
行動する姿こそ「悪魔」

その姿を人間達は「見た」
のではないでしょうか。

スヒョンが堕ちていく様を
我々に観せるのではなくて、
悪魔の復讐に巻き込まれた
人間は無力なんだと言うことを
観せられた気がします。

まぁ洋題は「The devil」
なんですけどね。
韓国語はどんな意味なんでしょう。

最後に

以上となります。
一本の映画をレビューするって
意外と難しいですね。
しかも文章で。

友達に話す方が楽ですよ。
でも考察なんかを
お伝えできるのは楽しいですね。
またやりたいと思います。

この「悪魔を見た」
ラストは是非自分の目で観て
肌で感じてみてください。