どうも蜂矢です。

映画、LIVEなど
どれを見ていても気になるのが音です。

どんな音がどんな風に鳴って
どんな風に聴こえるのか。
こればっかり気になって
ストーリーなどが全然入って
こないことが多々あります。

映画を観ていてよく思うのが
音響編集ですね。

例えば周りで大きな音楽が鳴っているのに
セリフが入ると途端に周りの音が小さくなる。

その映画の監督がどんな表現をしたいのか
分かりませんがとても不自然に感じます。
恐らくセリフの聴き取り易さを重視しているんでしょう。

逆に「ソーシャルネットワーク」という映画では、
クラブで話すシーンでキャラクターが
声を張り上げて会話しています。
こちらの方がリアルですよね。
世界観を重視しているんだと思います。

とても細かいところですが、
俺はすごく気になってしまう。

その他に、
BGMやSEがセリフより大きくて
何を言っているか全然わからない、
こんなことがあると思います。
それは恐らく5.1chで再生されているから。

映画のセリフは真ん中から聴こえるように
センタースピーカーに設定されています。
ところが家庭用のTVではセンタースピーカーが
ないのでセリフが聞こえなくなる。

この場合、音声の設定を
2chに変えることで解消されることがあります。

なぜこのような設定なのか、
それは映画館で上映することを前提としているから。

映画館は5,1chや7,1chで再生されるので
キャラクターが中央で喋れば中央で音声が聴こえ、
左右に動けば左右から聴こえます。

それがTVになるとね・・・
もうしょうがないと思っています。

話が変わりますが、
この前久しぶりに邦画を観たんです。
その際に音のバランスがとても悪かった。

意味のないところでBGMが大きかったり
セリフがめちゃくちゃ小さくて
効果音だけやたらデカイ。

ちなみにその時は
この5.1chのヘッドホンを使って
PCで観てました。

邦画の場合、同時収録をすることが多く
現場のサウンドマンはなるべく役者に
ブームマイクを近付けて収録するそうです。

洋画の場合、後でハメ換えればいいじゃん精神で
それ程マイクを近付けない。
ワイヤレスマイクやブームマイクなど
臨機応変に変えて収録していきます。
アフレコ時のガイドくらいの認識ですな。

アフレコになる場合リップシンクや
音響調整など時間を掛けられるハリウッド。
お金いっぱい使えますからね・・・

別に邦画より洋画の方が優れているとは思いませんが、
実際には音響などの差は凄く感じる。

洋画の世界

洋画界にはサウンドデザイナーという職があります。
サウンドデザイナーは全ての音を統括する立場。
撮影前に映画監督やプロデューサーと
映画で何を伝えたいのかについて何度も打ち合わせを行います。

そして映画に必要な音を作っていきます。
レースカーの音が欲しければ
サーキットに行って実際に音を録る。
銃の音が欲しければ実銃の音を録音して
ライブラリに残していきます。

今世界で最も素晴らしい音響会社は
「ルーカスフィルム」だと思います。
ここにはどんな音でもあるんじゃないか
というくらい膨大な音が保存された
ライブラリがある。

例えばフェラーリF40の
ドアの開閉音が欲しい場合にも
ライブラリを検索するば見つかると思う。
ライブラリに無い場合は新たに録音する。

そうやってサウンドデザイナーは
映画に必要な音をひとつひとつ準備します。

全ての収録が終われば、
セリフ、効果音、BGMをプリ・ミックスし、
実際の映画館と同じ大きさの
スタジオで全ての素材をファイナルミックスをする。
こんな感じでハリウッドの映画は完成します。

プリ・ミックス、ファイナルミックスを
行うスタジ全てがTHXという基準になっている。

どのスタジオで編集を行っても、
全て企画統一されているので
基本的に同じ再生環境なのが洋画の世界です。

邦画の世界

邦画界にはサウンドデザイナーは
少ないと思います。

現場では今でもブームマイクが主流です。
進歩的な現場はワイヤレスを
導入したりしていますが、
古いスタッフはマイク一本で
現場の音を録音することにこだわっています。

サウンドデザイナーがあまりいないので、
録音さんがOKテイクを揃え、
映像に合わせていきます。

そしてテレビ局主催であれば
効果さんが呼ばれることもあり
そこでド派手な効果が付けられ、
BGMも独自に作られはめられます。

ダビングで全ての素材をくっつけて
一つの映画が完成します。

そしてなぜかTHX基準の映画館で試写会をします。
編集を行うスタジオはTHXで統一されていないので
もちろん音は全てバラバラになってしまいます。

それでも邦画の音響さん達はとても頑張っています。
よくこの環境で一定のクオリティを保てるなぁと。

最近ようやくTHX基準のスタジオが増えてきました。
アニメではこのスタジオを使うことが多いので
音は素晴らしい作品が多いです。

もっとアメリカで勉強したスタッフが増え
日本の映画界が世界基準になることを祈っています。

こんなことを映画を観ながら
思っていました。

皆さんも映画の音に
もう少し耳を傾けてみたら
面白いかもしれませんよ。